13デイズ
- Aloysius' Rating: 6/10
Thirteen Days (USA 2000, 145min.)
Directed by Roger Donaldson
Written by Philip D. Zelikow (book:Ernest R. May)
Cast:Kevin Costner, Bruce Greenwood,Steven Culp,Dylan Baker, Henry Strozier,Frank Wood,Len Cariou,Janet Coleman,Stephanie Romanov, Bill Smitrovich,Ed Lauter
いわゆるキューバ危機の話がケネディ兄弟を中心に展開する。予想していたようなケネディ万歳映画ではなく、ほどほどに離れたところから状況の再現を試みていたので、その点で好感が持てる。トレバー・ジョーンズの音楽もスリリングで悪くない。ただ、アメリカの軍部が絶えず暴走を試みていたような描写はどの程度事実に即しているのだろうか。アトラス・ミサイルの発射をケネディは本当に知らなかったのか? イメージ優先でケネディを清潔に描きすぎているような気もしないでもない。
とはいえ、50年代から60年代にかけてのアメリカ(及びソ連)の外交面での性格、つまりカードの見せ方もわからないような不器用さ加減はよく描かれていて、このド素人どもがあんな状況でこんなことをやっていたのかと思うとやはり慄然とするのである。だからラスト近くでケヴィン・コスナー扮する補佐官が朝日が拝めたというそれだけの理由で感極まってしまうのも納得できる。いやはや、プロトコルのない世界は恐ろしい。70年代に入ってから米ソはいちおうのプロトコルを確立していたようだが、それも90年代初頭、冷戦終結と同時に崩壊してしまった。世界はまたあの頃と同じ状況に置かれているということなのだろうか。
ところで弟ロバートをやっていたスティーブン・カルプというのはロバート・カルプの息子なのかな。