- Aloysius' Rating: 7/10
Z(Algeria/France 1969, 126min.) Directed by Costa-Gavras Written by Jorge Semprun Cast: Yves Montand, Irene Papas , Jean-Louis Trintignant, Francois Perier, Jacques Perrin, Renato Salvatori

1963年にギリシアで実際にあったランブスキ事件を題材に、リベラル派議員暗殺事件の真相を描く。ジャーナリスティックでストイックな映像が実にクールなのである。暗殺される議員にイブ・モンタン、その妻にイレーネ・パパス、事件を担当する検事にジャン・ルイ・トランティニヤンという配役で、検事を演じたジャン・ルイ・トランティニヤンが特に素晴らしい。寡黙で終始サングラスをかけていて、立件が完了すると執務室に憲兵隊高官を次々と呼び寄せ告発していく有様は、さながら猛り狂う法の精神なのであった。しかしなんと言っても素晴らしいのはミキス・テオドラキスの音楽で、今でもわたしは時々引っ張り出しては聞いている。ちなみにこの映画で議員の暗殺実行犯を演じたレナート・サルヴァトーリは実直さと狂暴さを足して二で割ったような印象的な俳優で、コスタ=ガブラスのこの次の作品 「戒厳令」 でも秘密警察の警官を演じている。だが一押しの出演作はイタリア製美少年映画 「エルネスト」ではあるまいか。