サンチャゴに雨が降る
- Aloysius' Rating: 7/10
Il pleut sur Santiago (France/Bulgaria 1975, 110min.)
Directed by Helvio Soto
Written by Helvio Soto
Cast: Jean-Louis Trintignant, Bernard Fresson, Annie Girardot, Bibi Andersson, Laurent Terzieff, Nicole Calfan, John Abbey, Riccardo Cucciolla, Andre Dussollier, Henri Poirier
1973年のチリ。ピノチェット将軍のクーデターによるアジェンデ政権崩壊の一日を描く。フランス・ブルガリア合作で、サンチャゴのロケはブルガリアの首都ソフィアでおこなわれた。監督のエルビオ・ソトーはクーデターで亡命したチリ人である。淡々としたドキュメンタリー・タッチの映像はそれなりに迫力があって、高校生だったわたしは素直に感動した。戦車が乗用車を踏み潰しながらこっちへやってくる、という恐ろしい場面は今でも鮮明に記憶に残っている。しかし、わたしにとってこの映画が重要な意味を持つのは実は内容によってではなく、音楽によるところが大きい。この映画で初めてアストル・ピアソラを聞いたのである。見た翌日、早速サントラと、当時はまだ一枚しかなかったアルバムを手に入れてきて擦り切れるまで聞いた。
なお、チリのクーデターを扱った映画としては他にコスタ・ガブラスの傑作
「ミッシング」がある。
また、軍事力による権力奪取という行為の不気味さは、ジャーナリスト出身の監督マーチン・バークが気を吐いた
「パワー・プレイ」によく描かれている。